研究課題
基盤研究(B)
米国Computer Motion社製手術支援ロボットシステム「ZEUS surgical system」を導入し、ブタを用いて機器操作や手術操作の修練を行った。この経験を元に冠動脈バイパス術において左内胸動脈採取に臨床応用した。Armのpositioning等の問題が顕在化し、それに対する改良を加えた。次に単純心奇形である心房中隔欠損症への臨床応用を企図し、準備としてPort-access systemに改良を加え、完全内視鏡下に完全体外循環可能なシステムを構築しえた。これらの準備を経て心房中隔欠損症への臨床応用し、8例にZEUS surgical systemを応用し、うち7例にはZEUS surgical systemを用いた心房中隔欠損閉鎖術を施行した。出血等の問題から4例が用手的手術への移行を余儀なくされたが、3例では完全内視鏡下に手術を完遂しえた。全例、他家血輸血を必要とせず、ZEUS surgical systemに起因する合併症を認めなかった。術後1週間以内に退院できた。手術創に関しての患者の満足度は非常に高く、学会発表での反応もきわめて良好であった。今後さらにZEUS surgical system自体の改良とともに、手術操作の向上によって僧帽弁疾患など、より難易度の高い手術への臨床応用可能と期待でき、術者のトレーニングシステムやコストなどの問題を解決することで、将来の標準術式になりうると考えられる。
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日本外科学会雑誌 105
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新医療 6
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