研究分担者 |
岡本 卓 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20314932)
山本 恭通 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50314927)
黄 政龍 国立大学法人香川大学, 医学部, 助教授 (10271511)
田畑 泰彦 国立大学法人京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
|
研究概要 |
径100μmのゼラチンビーズを作成しFGFを含浸徐放化(bFGF-GMS)した。ポリ乳酸とカプロラクトンの共重合体スポンジ状立方体(PLA-co-CL)を作成した。 実験1:兎左肺を全摘し全摘モデルを作成した。全摘モデルにPLA-co-CLを移植後bFGF-GMSを撒布した。1,2,3,6、12月後にCT撮影後犠牲死し移植しなかったコントロール群とX線画像、組織学的に比較した。 実験2:兎左上葉切除モデルにPLA-co-CLを移植後bFGF-GMSを撒布した。1,2,3,6、12月後にCT撮影後犠牲死し移植しなかったコントロール群とX線画像、組織学的に比較した。 実験1:コントロール群は術後時間経過と共に全摘後症候群を呈したが実験群では縦隔偏位は軽度であった。コントロール群は炎症性にわずかに肥厚していた。実験群では胸腔は保たれており縦隔胸膜が肉芽組織により肥厚し肥厚胸膜厚は有意に厚かった。6ヶ月でもPLA-co-CLは吸収されずそのスポンジ状空隙に肉芽組織の形成を認めた。(平成15年度成果) 実験2:コントロール群では上葉切除後死腔は認めなかった。胸膜肥厚は軽度であった。実験群では有意に厚い胸膜肥厚を認めた。実験1の胸膜肥厚に対しても有意差を持って厚かった。6ヶ月後もPLA-co-CLは残存し内部に肉芽組織の侵入を認めた。12ヶ月後は実験群1、2共にPLA-co-CLは吸収され認めなかった。肥厚胸膜はそれぞれ実験群で保たれていた。(平成16年度成果) PLA-co-CLとbFGF-GMS胸腔内移植により肉芽形成を促進し肺全摘においては縦隔の力学的強度を増し全摘後症候群の予防が可能なこと、肺葉切除に置いては死腔閉鎖の可能性を示唆した。
|