| 研究分担者 |
巽 英介 国立循環器病センター(研究所), 研究評価室, 室長 (00216996)
増澤 徹 茨城大学, 工学部, 教授 (40199691)
武輪 能明 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室長 (20332405)
本間 章彦 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (20287428)
築谷 朋典 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (00311449)
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| 研究概要 |
昨年度は磁気浮上系の最適化研究の成果によって,所要電力の大幅な低減を実現することに成功したが,本年度は,まず最適化を行った試作機の血球破壊試験を行い,安定した磁気浮上と臨床上間題ないレベルの血球破壊量であることを確認した.
そして,引き続き磁気浮上ならびに磁気駆動系の小型化を目指して,最適化設計法の開発を行った.まず,理論的アプローチとして磁気回路を電気等価回路で表し,必要な吸引力,エネルギー効率と大きさの理論関係式を導き,永久磁石の厚み,磁気浮上ステータの直径,電磁石コイルの巻数の最適化を図った.
研究の結果,従来品と同性能で,磁気浮上ステータの直径を60mmから55mmへ小型化することに成功した.左心補助人工心臓としての平均動作点である揚程100mmHg,流量5L/min時の消費電力も16Wから11Wにと70%程度減少し,エネルギー効率の向上を実現した.
また,制御回路の小型化のために,新たにPWM方式の磁気浮上アンプを設計した.この寸法としては1チャンネル140mmx100mmの基板に構築することとした.
また,本システムが採用するゼロパワー方式の利点としてセンサーを必要としないポンプ流量推定方式の開発に関しても検討を行った.前負荷用リザーバ,高負荷用リザーバ,自己心模擬用拍動流ポンプからなる循環系模擬回路を開発し,磁気浮上ポンプを左心脱血・大動脈送血の補助循環形式で取り付け,ゼロパワー制御時のインペラの浮上平均位置を計測した。その結果,(1)ゼロパワー制御時にインペラ中心位置がポンプ流量に比例して変化することを確認した.(2)自己心の拍動にともないインペラ中心位置が変動することを確認した.以上の点から,磁気浮上ポンプの特性を生かした流量推定の実現可能性を確認した.
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