研究課題
基盤研究(B)
本年度の研究計画に沿って、以下の研究をほぼ当初の予定通り実施することができた。1)マウス脳梗塞あるいは脊髄損傷モデルに移植する実験系を確立し、今年度、Neuropathology誌に掲載された。2)マウス大腿骨より骨髄液を採取し骨髄間葉系細胞を単離・培養した。Retinoic acid、bFGF、DMSOといった分化促進物質を培養液に添加することにより、骨髄間葉系細胞の形状が変化し、この細胞がnestin、Tuj-1、MAP2、NeuNといった神経細胞に特有の蛋白質を産生することが蛍光免疫染色法により明らかとなった。3)マウス胎仔大脳から神経細胞を単離して初代培養する実験系を確立した。これらの細胞にもnestin、Tuj-1、MAP2、NeuNといった神経細胞に特有の蛋白質が産生されていることが蛍光免疫染色法により明らかとなった。4)骨髄間葉系細胞、神経細胞への分化誘導を行なった骨髄間葉系細胞、神経細胞の3者から十分量のRNAを分離した。5)これらのRNA標本を用いて2万個の遺伝子を網羅するDNA microarrayを実施した。今後、このデータを統計解析することにより、分化誘導によって発動する分子生物学的変化を詳細に検討する予定である。6)骨髄間葉系細胞とともに移植するにあたって最適なフィブリン・ネットワークを開発するために、ニワトリ胎仔神経節を摘出しさまざま条件で作成されたフィブリン・ポリマーとともに培養した。神経細胞からの神経突起の伸長から最適なフィブリン・ポリマーの組成が明らかとなった。
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