研究課題/領域番号 |
15390428
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日下 康子 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00292219)
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研究分担者 |
斎藤 努 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00302224)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
白根 礼造 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30206297)
冨永 悌二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00217548)
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キーワード | 衝撃波医療 / レーザー医学 / 脳神経外科 / 頭蓋骨欠損 / レーザー誘発衝撃波 / 衝撃波工学 / 神経内視鏡 / 低侵襲治療 |
研究概要 |
本研究ではこれまでの知見を応用し、(1).頭蓋骨用衝撃波照射装置の開発(2).脳保護方法の開発(3).衝撃波による頭蓋骨形成促進機序の解明、により臨床応用を可能とする頭蓋骨形成用衝撃波照射方法の開発を目的とし、(1)、(2)および(3)について検討した。 (1)については、Ho : YAGレーザーの水中細管内照射を応用することで脳・頭蓋骨近傍において局所的に衝撃波を照射することが可能となった。しかし、現段階では過剰圧はヒト頭蓋骨照射には十分ではなく、以下の検討によりより高過剰圧が発生可能な衝撃波発生装置の開発を行った。 (a)中赤外レーザー照射による衝撃波発振媒体をより高吸収率の物質に改善する。 (b)高電圧パルス式放電電源、Ho : YAGレーザー(水に対する光吸収率がHo : YAGレーザーよりも高い)を新しいエネルギー供給源として利用する。この結果、(a)ではキャビテーションを発生しやすいと考えられる造影剤(レボビスト)などを媒体として検討を行ったが、予期した結果を得ることができなかった。また、(b)についても、Er : YAGレーザーなどで検討を行ったが、著明な効果を得ることができなかった。 (2)の周囲組織保護方法の開発に関しては、数値計算と物理実験の併用により、既に衝撃波照射時に臓器保護効果をもつことが判明しているGore-Tex人工硬膜の衝撃波減衰機序を解析し、3次元構造のpolytetrafluoroethylene内に密閉された空気層が衝撃波の伝播に複雑に影響を与えることにより著明な減衰効果を示す可能性を示した。今後も検討を進め、種々の脳神経解剖下で応用可能な周囲組織保護材の開発へと繋がるものと考えられる。 (3)については、レーザースペックル干渉法を応用して、模擬物質、ならびに扁平骨に衝撃波を照射した際の歪みの可視化に成功した。今後、頭蓋骨に対して骨窓を設け、模擬環境を作成し、衝撃波を照射した際の歪み分布、骨生成量を比較し、衝撃波誘導骨形成の機序の解析に応用できるものと考えられ、非常に有用な知見であると考えられた。
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