研究課題
フィブロネクチン、コラーゲン、ヒアルロン酸レセプタータンパク質のモルフォロジー制御に応用して軟骨・腱・靭帯等の細胞接着・伸展制御実験に供した。またヒアルロン酸、アルギン酸、キトサンなどのグルコサミノグリカン(プロテオグリカン)のモデルとなる多糖とコラーゲン、フィブロネクチンなどの高分子ハイブリッドの簡易複合化法を考案した。具体的にはキトサンに細胞接着分子であるRGD (Arg-Gly-Asp)配列をキトサンに導入することに成功した。またキトサンとヒアルロンサン、またはキトサンとアルギンサンを用いて新規な人工細胞外マトリックス(繊維成分)をデザインし作成した。これらの高分子材料をウサギ線維芽細胞および軟骨細胞培養系に加え細胞の増殖およびコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分産性能をin vitroで評価し、本研究により合成された新規な人工細胞外マトリックス材料の構造・組成・物性と細胞接着・伸展との間の関係を議論する上で重要な基礎データベースを構築した。靭帯および関節軟骨再生にはキトサンとヒアルロンサンのハイブリッド細胞培養基材すぐれていた。RGD配列をキトサンに導入することにより線維芽細胞および軟骨細胞の接着性を有意に改善することができた。またキトサンにヒアルロンサンをハイブリッド化することによりその軟骨細胞および線維芽細胞に対する接着性が有意に改善し、さらに運動器再生用scaffoldとしての強度も上げることができ、生体内にある組成と同じ細胞外基質の産生が確認された。本効果は生体内でも認められ、従来軟骨は繊維軟骨、靭帯は瘢痕でしか修復しなかったが、本人工細胞外マトリックスを用いることで、正常組織として生体内で再生させることが可能となった。さらにキトサンとヒアルロンサンのハイブリッド細胞培養基材を用いてin vivoで生体内毒性試験でその安全性を確認した。
すべて 2005
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