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2003 年度 実績報告書

成体脊髄に内在する神経前駆細胞を用いた再生誘導療法の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15390448
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

星地 亜都司  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70236066)

研究分担者 山本 真一  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30282560)
中村 耕三  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
キーワード脊髄損傷 / 神経前駆細胞 / 遺伝子導入 / 転写因子 / サイトカイン / ニューロン
研究概要

本年度はまず、成体神経前駆細胞の培養系を用いて、損傷脊髄局所に発現する炎症性サイトカインの分化に対する作用を検討した。その結果、BMP4とCNTFは、ニューロン・オリゴデンドロサイト分化を抑制し、アストロサイトへの分化を促進した。逆に、これらの細胞内シグナル伝達を遮断する抑制型Smad (Smad6、Smad7)と優性抑制型STAT3の強制発現やBMPの活性を抑制するnogginは逆の効果を示した。したがって、これらのサイトカインは、損傷脊髄においてニューロン新生を抑制しアストロサイト分化を促進する機構の一つと考えられた。次に、これまでの解析から明らかとなったNotchのligandであるdelta-like1の優性抑制型(DN-D111)やbHLH型転写因子Ngn2のニューロン分化促進効果を、これらサイトカイン存在下に検討した。DN-D111の効果は抑制されたが、Ngn2の効果は維持されていた。よって、損傷脊髄内の前駆細胞に濃縮組換え型レトロウイルスを用いてNgn2の導入を試みた。その結果、コントロールウイルスでは観察できなかったニューロン新生誘導に成功し、その多くはGABA作動性ニューロンであった。
一方で、他のbHLH型転写因子Mash1が、胎生期脊髄におけるオリゴデンドロサイトの発生に重要な役割を果たすことが、組織学的・培養系での検討から明らかとなった。損傷脊髄内では、オリゴデンドロサイト前駆細胞は増殖するも、分化・成熟が抑制されていると考えられている。そこで、Mash1を用いた成熟オリゴデンドロサイトの分化誘導を、上と同様に培養系・脊髄損傷モデルを用いて計画している。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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