研究課題
われわれはこれまで破骨細胞のアポトーシスメカニズムとしてミトコンドリアからのチトクロームcの放出を介する系が関与していることを明らかにした。またこのときにproapoptotic bcl-2ファミリーに所属するBH3-onlyメンバーであるBimが重要な役割を果たしていることを、ノックアウトマウスを用いた研究、in vitroでのアデノウイルスによる遺伝子導入系を用いて明らかにした。本年はもう一つの経路であるdeath receptorを介するシグナル伝達系が破骨細胞アポトーシスに関与するかどうかを、death receptor pathwayにおいて重要な役割を果たすアダプター分子であるFADDのドミナントネガティブ変異体を、アデノウイルスベクターを用いて破骨細胞に導入することによって検討した。破骨細胞はマクロファージコロニー刺激因子などのprosurvival factorが存在しない条件では24時間以内にアポトーシスによって死滅する。アデノウイルスによるdominant negative FADDの導入はこの破骨細胞のアポトーシスに影響を与えなかった。以上の結果より、破骨細胞アポトーシスにはdeath receptor pathwayは関与していないと考えられた。
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Arthritis Rheum 50
ページ: 828-839
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Blood. Dec 7(Epub ahead of print)