研究課題
基盤研究(B)
ラットI型コラーゲン遺伝子プロモーター下流にGFPを付けたトランスジーンを発現するマウス、マウスII型コラーゲン遺伝子プロモーター下流にGFPを付けたトランスジーンを発現するマウスを、それぞれ野生型のマウスと交配させて胚盤胞を分離し、そこからES細胞を樹立した。また、上記トランスジーンを発現するレトロウイルスを作成し、これを野生型ES細胞に感染させて株を樹立した。これらのES細胞は、骨芽および軟骨細胞に分化したときにのみ蛍光を発するので、分化誘導因子のスクリーニングに細胞センサーとして利用した。骨芽分化誘導因子としては、BMP受容体、Hhのシグナル伝達分子であるSmo、Wntの転写因子であるLEF-1、Runx2の発現アデノウイルスを作成し、上記ES細胞センサーに網羅的に組み合わせて加え、Runx2とBMPシグナルの組み合わせが相乗的に強力に骨芽細胞分化を誘導することを見出した。軟骨分化誘導因子としては、BMPおよびSoxシグナル伝達系をES細胞センサーに加え、Sox9と、Sox5あるいはSox6の組み合わせが強力に軟骨分化を誘導することを見出した。これらの実験により、骨芽あるいは軟骨細胞分化誘導のシグナルの最適化を行った。また、樹立したES細胞を、最適条件で分化させることなく、平面培養で増殖させるための至適条件(継代のタイミングと、コロニーサイズ)を決定した。さらに将来ヒトES細胞を使うことを睨んで、カニクイザルのES細胞を購入し、これを用いて培養・分化方法について経験を積んだ。上記のごとく決定した至適条件で分化した骨芽様細胞および軟骨様細胞を、それぞれアテロコラーゲンフィルム上に播種して培養し、十分な基質をつくらせ、基質の石灰化及び、トルイジンブルー染色でのメタクロマジーを確認した。このシートを骨・軟骨欠損モデルマウスの欠損部に移植し、移植後1〜4ヵ月後に麻酔後屠殺し、移植部分を組織学的、免疫組織学的に観察したところ、骨欠損のマウスにおいては、良好な再生誘導が見られたが、軟骨欠損に関しては、有意な治癒効果が見られなかった。この原因としては、軟骨分化誘導刺激がまだ十分に最適化されていない可能性が考えられ、今後他のシグナル経路との組み合わせを考慮してスクリーニングしていく予定である。
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