• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

超音波による軟骨変性の早期診断システム

研究課題

研究課題/領域番号 15390457
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

池内 健  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30026223)

研究分担者 中川 泰彰  京都大学, 医学研究科, 講師 (90293860)
キーワード変形性関節症 / 超音波計測 / 関節軟骨 / 早期診断 / ウェーブレット変換 / 膝関節 / 圧電セラミック / 圧電ポリマー
研究概要

1.ブタの膝関節から採取した骨・軟骨複合体を試料として、インデンテーション試験、応力ひずみ試験、比重計測を行い、軟骨の力学特性と超音波の軟骨表面における反射特性との関係を調べた。その結果、反射波強度は軟骨表面直下の圧縮弾性率及び密度によって決まることを検証した。これらの量はいずれも軟骨変性を反映しているので、超音波による計測法が関節軟骨の診断と評価に有効であることが示された。
2.ブタの膝関節から採取した軟骨をコラーゲナーゼ処理させる実験を行った結果、コラーゲン線維によって拘束されていたプロテオグリカンが膨潤、溶出するに伴って反射波強度が低下した。これは超音波計測法が硝子軟骨の変性に伴う軟骨の構造破綻による内部圧力の低下を高精度で検出できる方法であることを示している。
3.ウサギの膝関節内にコラーゲナーゼを注入する実験を行った。注入後1週間で変性が生じて反射波強度の低下、含水率の増加、Aggregate Modulusの低下が見られた。また16週になると軟骨の変性はある程度回復した。軟骨が変性すると、コラーゲン線維とプロテオグリカンの結合構造の破綻により内部の膨張圧力が低下して負荷支持能力を喪失する。本研究においてこのような軟骨の変性に伴う軟化を超音波によって高精度で検出し、定量化できることを示した。また再生、移植軟骨の荷重支持能力を評価するための優れた方法であることを実証した。
4.ウサギの膝関節の内側半月板を切除し、前後十字靭帯と内側側副靭帯を切断することにより膝関節を不安定化したモデルを作製して軟骨の変化を調べた。手術後軟骨の変性が徐々に進行し、それに伴って超音波の反射率が低下し、4週間後には軟骨表面が破壊されることにより反射波の持続時間が増加した。このように軟骨の変性により、表面形状が変化する以前に超音波法による早期発見が可能であることを示した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 小畠 康宣: "薄型超音波プローブを用いた手関節部軟骨定量評価の試み"中部整災誌. 46. 805-806 (2003)

  • [文献書誌] 服部 耕治: "自然再生軟骨の力学特性の検討-超音波を用いた新しい関節軟骨評価法の応用-"中部整災誌. 46. 425-426 (2003)

  • [文献書誌] Hattori, K.: "Measurement of the mechanical condition of articular cartilage with an ultrasonic probe"Clinical biomechanics. 18. 553-557 (2003)

  • [文献書誌] Morita, Y.: "Evaluation of dynamic visco-elastic properties during cartilage regenerating regenerating process in vitoro"Bio-Medical materials and Engineering. 13(4). 345-353 (2003)

  • [文献書誌] 森田 有亮: "再生軟骨の潤滑特性"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 24. 53-58 (2003)

  • [文献書誌] 吉田 秀幸: "小腸内皮の摩擦特性-吸着した親水性高分子による水潤滑-"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 24. 83-86 (2003)

  • [文献書誌] Yoshida, H.: "Biological lubrication of hydrated surface layer in small intestine"Tribological Reserch and Design for Engineering Systems. 41. 425-428 (2003)

  • [文献書誌] 竹中 慎: "超音波を利用した自然再生軟骨の力学的特性の測定"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 24. 59-63 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi