研究概要 |
XI型コラーゲンα2鎖遺伝子(Col11a2)プロモーター内の軟骨特異的な最小cis-elementである24bpに結合する転写因子を精製するために,DNAアフィニティークロマトカラムを用意した.これに軟骨肉腫由来細胞株から調整した核抽出液を通し,精製溶液をSDS-PAGEにて分離した.バンドを数本得たので,質量分析にてアミノ酸シークエンスの決定を行っている.そして,軟骨特異的24bpシスエレメントに結合する因子のクローンを得たが,この生体での機能を知るために,全身,および軟骨特異的にこの因子を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製しているところである.表現型が強い場合,胎生致死の可能性がある.安定してトランスジェニックマウスを得るために,Cre-LoxP systemを用いたconditional transgenic miceの手法を導入している.CreとLoxPそれぞれのDNAコンストラクトを作製し終え,microinjectionを行っている.Cre transgenic miceについては,XI型コラーゲンα2鎖遺伝子,X型コラーゲン遺伝子,I型コラーゲン遺伝子のプロモーター,そしてCMVプロモーターを用い,内軟骨性骨化の各過程において,この転写因子の機能を詳細に解析できるようにしたい.X型コラーゲンについては,肥大軟骨細胞のマーカー遺伝子であるが,その転写制御領域が最近決定,報告された.我々もこのプロモーター配列のクローニングを行い,この配列にレポーター遺伝子を結合したDNAコンストラクトを作製し,導入したトランスジェニックマウスを作製している.この追試で確認を行った上で,実験を進めている.
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