1.heparin併用投与による、rhBMP-2の筋組織内骨誘導促進の検討 臨床応用には、rhBMP-2のより少量かつ有効な作用が期待される。最近、in vitroにてヘパリンやヘパラン硫酸などの多糖は、分子内の硫酸基を介して、Smadl/4の結合配列を含むBMPレポーター遺伝子の発現が持続させることわかった。これを応用することで、ヘパリンの併用により、低用量のBMPでも高用量のBMPと同様に骨形成が誘導されることが期待された為検討した。BMP-2溶液(5μg/5μl)とヘパリン溶液(500、50、5、0μg/12μl)を混合させ、直径5mm、高さ2mmのβTCP discに染込ませた後、YM529(5×10^<-5>M/13μl)を同様にβTCPに染込ませ、30分氷上に静置。12週SDラット大腿四頭筋に移植。2週および4週にてharvest。組織的所見上2週、4週ともβTCP disc内に骨形成を認めたが、骨組織面積比ではヘパリン投与による骨形成の変化は認めなかった。 2.rhBMP-2+YM529 in βTCPにおける骨組織誘導のスケールアップ検討 これまでの条件にて1cmの球形のbetaTCPにて試みた。ウサギ(日本白色家兎)の殿筋内に投与。5週採取。X線写真及び組織学的に評価したところ内部まで良好な骨形成が認められた。 3.生体内遺伝子エレクトロポレーション法の条件設定の為の予備実験 12週齢マウスを対象として、筋組織内や靭帯付着部における骨組織誘導における、DNA量、電圧、負荷時間、パルス回数等の条件を考慮しながら行ったが明らかな遺伝子導入が得られなかった。
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