研究課題/領域番号 |
15390465
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
須田 立雄 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90014034)
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研究分担者 |
片桐 岳信 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80245802)
島 伸行 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30337604)
東尾 侃二 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20337603)
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キーワード | 破骨細胞分化因子 / 骨吸収 / 転写制御 / 活性型ビタミンD_3 / 骨芽細胞 / マイクロアレイ |
研究概要 |
破骨細胞分化因子(ODF/RANKL)は、骨芽細胞が発現する骨吸収誘導の鍵を握る分子である。ODFの遺伝子発現は、骨吸収を刺激する種々の液性因子によって促進されるが、その転写調節機構は未だ明らかではない。本研究は、このODF遺伝子の発現調節機構を解明することを目的とする。 特に本年度は、骨芽細胞におけるいくつかの骨吸収因子によるODF遺伝子の転写制御を経時的に検討した。その結果、種々の骨吸収因子の中で、活性型ビタミンD_3の促進作用は処理後6-10時間で最大に達し、その効果はタンパク合成阻害剤によって抑制されることが明らかとなった。他の骨吸収因子では、より短時間で一過性に発現が最大となり、この作用はタンパク合成阻害剤による転写の阻害を受けないことが知られている。これらの結果より、他の骨吸収因子はタンパク合成を介さずにリン酸化反応などの機構によってODF遺伝子の発現を促進するのに対し、活性型ビタミンD_3はある種の転写調節因子の発現を介して、ODF遺伝子の転写を促進すると予想された。 そこで、活性型ビタミンD_3が骨芽細胞内で誘導する転写調節因子を同定するために、マイクロアレイを用いて細胞が発現する遺伝子の網羅的な解析を行った。その結果、活性型ビタミンD_3刺激によって、ODF遺伝子の経時変化と同様の変動を示す遺伝子として、複数の転写調節因子および細胞内情報伝達制御因子が同定された。現在、それぞれの遺伝子について、RT-PCR法やNorthern blot法で活性型ビタミンD3刺激による発現の促進を確認している。次年度は、過剰発現実験やRNAiを用いたノックダウン実験などによって、これらのODF遺伝子の発現における役割を明らかにすると共に、ODFとRANKの結合を競合的に抑制するOCIF/OPG遺伝子の発現に対する作用も併せて解析する。
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