研究課題/領域番号 |
15390471
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 教授 (70181419)
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研究分担者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助教授 (40242440)
岡本 学 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70303146)
渡辺 洋子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018853)
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キーワード | 大脳皮質 / Rhod-2 / 高速Ca画像 / w-agatoxinIVA / グルタミン酸 / エタノール |
研究概要 |
1.大脳皮質の興奮伝搬と細胞内Ca変化(高速Ca画像と膜電位画像による解析) (1)マウス大脳皮質切片において、蛍光性Ca指示薬Rhod-2を用いて細胞内Caイオン濃度([Ca^<2+>]_i)の空間的・時間的変化を観察した。V層への電気刺激(75μA,100μs)により、切片の[Ca^<2+>]_iは刺激から2〜3ms後に刺激部位近傍で上昇、少し遅れてII-III層でも上昇し、その領域は10〜15msで最大となり、100〜200msをかけて減衰した。 (2)II-III層における[Ca^<2+>]_i上昇は、前シナプスに分布するP/Q型Caチャネルの拮抗薬ω-agatoxinIVAにより抑制され、NMDA受容体拮抗薬MK-801によっても一部抑制された。一方、n型Caチャネル拮抗薬ω-conotoxinGVIAおよびAMPA/kainate受容体拮抗薬CNQXによる影響をほとんど受けなかった。 (3)V層への刺激から遅れて生ずるII-III層の膜脱分極伝搬は、ω-agatoxinIVAとCNQXによって抑制されたが、MK-801による抑制はなかった。したがって、刺激によって前シナプスから放出されたグルタミン酸は、後シナプスのNMDA受容体を介するCa流入を誘起するが、そのCa流入は興奮伝搬と必ずしも連動していないことが示唆された。 2.グルタミン酸(Glu)による[Ca^<2+>]_i上昇に対するエタノールの影響(一般のCa画像解析) マウス大脳皮質切片に5mmol/l(Glu)を作用させると、II-III層で[Ca^<2+>]_iが約20nmol/l上昇した。エタノール0.5%含有クレブス液の灌流により、持続性に5〜10nmol/lの[Ca^<2+>]_i上昇が観察され、ここで5mmol/lGluを作用させると、作用時は[Ca^<2+>]_i上昇はなく、Glu作用後に20〜30nmol/lの[Ca^<2+>]_i上昇が起こった。エタノールはGluによる[Ca^<2+>]_i上昇を抑えながら、それ自体は[Ca^<2+>]_i上昇を誘発することが示唆された。
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