研究課題/領域番号 |
15390474
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上林 卓彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10273640)
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研究分担者 |
林 行雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60294063)
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キーワード | 脳神経核 / 遺伝子発現抑制 / デコイ型核酸 / アドレナージック受容体 / siRNA / エピネフリン不整脈 |
研究概要 |
1.脳神経核内薬剤投与用針装着ラットの作成 6週齢のSDラットにハロセン麻酔を施した。脳定位固定下に頭皮を切開し、頭蓋骨上の基準点の計測を行った。既知の脳内神経核分布図をもとにセルレウス核と基準点との立体的な位置関係(前後・左右・上下についての距離)を計算し、計算結果に基づいて薬剤注入用の金属針を刺入した。手術用セメントにて金属針を頭蓋骨に固定した。皮膚を縫合したのち覚醒させ、3日以上の回復期間の後実験を行った。 2.デクスメデトミジンのセルレウス核内投与による鎮痛・鎮静・抗不整脈作用の検討 昨年度に引き続き遺伝子発現の抑制処置を受けていない正常なラットでの神経核内投与した薬剤の効果を確認するため、α2受容体アゴニストであるデクスメデトミジンを頭蓋に装着した金属針を介してセルレウス核内に投与し、鎮静・鎮痛作用を評価した。鎮静、鎮痛作用の評価は体位反射の消失時間、および温熱刺激に対する逃避反応時間にて行なった。現在、神経核内に投与したデクスメデトミジンによる鎮痛、鎮静効果の確認が完了し、用量作用関係についてのデーターが集積されつつある。また、針先の位置の確認やコントロールの状態の脳神経核における遺伝子発現の検討のため、実験後のラット脳組織を潅流固定して保存した。さらに、ハロセン-エピネフリン不整脈に対するセルレウス核内デクスメデトミジンの抗不整脈作用についても検討を開始した。薬剤投与用針装着ラットにハロセン麻酔を施し、エピネフリンを静注投与することにより不整脈の誘発閾値を求めた。薬剤投与用針よりデクスメデトミジンを投与した群と生理食塩水を投与した群で不整脈誘発閾値を比較した。現在デクスメデトミジンが抗不整脈作用を有する傾向を確認しているが、統計学的有意に至っていない。デクスメデトミジンの投与量の変更、またラット種の変更などによりさらに検討を継続している。
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