研究概要 |
今年度の予定は、Lambda phage/mouse 129vev genome libraryのscreeningを行い、入手したα2A adrenoceptor subtype genome cloneをmappingして、targeting vectorの構築を行う予定であったが、幸いなことに、Vanderbilt大学薬理学教室のProf Quin WangよりHA-tagged α2A adrenoceptorを有する遺伝子改変マウスを作るためのtargeting vectorを得ることができたので、これをもとに、α2A AR-GFP遺伝子改変マウスのためのtargeting vectorを構築することにした。提供されたvectorは、14779bpで、8224-9606にHA-tagged α2A ARが、10208-12182にneo cassetteが入っている。HAは、α2A ARの2番目と3番目のアミノ酸の間(8230-8259)に挿入されている。 1)HA tagの除去:SalI(7133bp)部位とHAtag直前にプライマーを設計しPCRを行う。HAtag直後とα2A ARのstopコドンを除きKpnIを付加したプライマーを用いてPCRを行う。このフラグメントをPCRにて合成しクローニングベクターに導入してシークエンスを行い配列確認されたクローンからSalI、KpnI用いて断片を切り出し精製する。 2)EGFPの合成:EGFPの開始コドンの前にKpnIサイトを付加したプライマー及び、Stopコドンの直後にSfiIサイトを付加したプライマーを用いてEGFP遺伝子を増幅しクローニングベクターに導入してシークエンスを行い配列確認されたクローンからKpnI、SfiI用いて断片を切り出し精製する。 3)Targeting vectorの構築:元のDNAをSalI、SfiIで制限酵素処理しSalI--SfiI断片を除去する。1,2のDNA断片をこのSalI、SfiIサイトへ導入する。 4)ローカス類似配列の除去:3で得られたクローンをMunI、XhoIで制限酵素処理を行い末端を平滑化し、セルフライゲーションを行う。 現在、上記作業の1,2を行っており、順調にいけば6月頃には、targeting vectorが完成する予定である。その後、当初の予定通り、ES cellへのelectropolationを行い、screeningの作業に入る。
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