研究概要 |
1)キメラマウスの作成 昨年度得られたF1ヘテロマウスを用い交配を行い、以下の要領でgenotypingを行った。 2)genotyping NEO遺伝子の確認は、3つのプライマーを用いてPCRにて行った。すなわち、Wild type gene上に存在するforward primer(I),backward primer(II),そしてNeo上に存在するforward primer(III)である。(1)(II)にて533bp(wildtype),(II)(III)にて273 bp(homo)のPCR fragmentが得られる(heteroでは2つのバンド)。また、EGFP遺伝子の確認は、EGFP上に存在する2つのプライマーを用いてPCRにて行った。 結果:オス28匹中、8匹がwild type、20匹がhetero typeであった。また、メス29匹中、8匹がwild type、21匹がhetero typeであった。しかしHomo typeは得られなかった。 3)免疫組織化学 hetero type3匹を使って脳におけるGFPの発現を蛍光顕微鏡にて確認したところ、2匹では蛍光は血管にのみ認められ神経細胞での発現はなかった。1匹では神経細胞、さらには青斑核での発現を認めたが、蛍光強度は弱かった。 以上の結果から、このcell lineのマウスでは、α2Aアドレナリン受容体-GFP癒合蛋白の発現が何らかの原因で傷害されており。このマウスでは機能解析は困難と考え、別のcell lineのマウスを再度作り直す事にした。 4)新しいF1ヘテロ 同じtargeting vectorを用い再度F1ヘテロマウスを得た(平成19年2月)。現在、F1ヘテロマウスの交配中でgenotypingによりホモマウスを確定する。 ヘテロマウスの作成をやり直すこととなり、年度内には発表できる業績はない。しかしこのような遺伝子改変マウスは世界中で我々しか作成しておらず、このマウスの存在だけでも大きな業績と考える。今後、ホモマウスが得られたら、予定通り機能解析を行う予定である。
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