研究概要 |
1.膀胱癌細胞株4株をマウス皮下に移植したモデルを用い、放射線感受性試験を施行。このモデルを用い、放射線照射条件の設定を行った結果、5Gy単回照射を行うことで、腫瘍増殖遅延反応をエンドポイントとすると放射線感受性を評価できることが確認された。 2.Xenogarft modelの樹立:臨床的に得られた患者組織をSCIDマウス皮下に移植することで、Xenotransplant modelの作成が可能となった。初代移植では30例中、15例の組織の移植が可能であり、組織学的評価の結果、初代移植腫瘍は患者腫瘍の特徴をよく保存していた。初代移植に成功した15検体中11検体が継代維持が可能であった。継代を経ても細胞形態,組織構築パターンは非常によく保持されていた。p53遺伝子解析の結果,すべての検体は継代を重ねてもオリジナルの患者腫瘍のp53遺伝子を保持していた。Ki67LIに関してはXenograftではオリジナルの患者腫瘍にくらべ若干増加する傾向があった。 3.Xenograftを用いた放射線単回照射による治療シミュレーション:患者由来の移植腫瘍4系を用いて5Gy単回照射を施行し,腫瘍増殖遅延反応をエンドポイントに放射線治療のシミュレーションを施行、その反応と各モデルの生物学的パラメーターとの関係を検討。検体はすべて移行上皮癌より樹立されたモデルであるがその反応は大きく異なり、Absolute growth delayは20.3±2.4日から76.4±7.4日に分布した。p53変異を有する腫瘍は、放射線に最も耐性であることが示された。
|