研究課題
基盤研究(B)
本研究では前立腺癌治療薬、リン酸エストラムスチンナトリウムの治療効果・副作用発現の個体差について臨床的、基礎的解析を行った。臨床的研究では、低用量リン酸エストラムスチン療法の治療効果、副作用発現について検討を行い、常用量リン酸エストラムスチン療法と比べて効果面で遜色がないこと、副作用の発現が投与量に依存して低下することを示した。続いて治療効果・副作用発現の個体差について患者のgerm line DNAを用いた一塩基多型解析を行った。その結果、リン酸エストラムスチンナトリウムの主な代謝産物である17β-estradiolの代謝に関わる17β-hydroxysteroid dehydrogenaseとCytochrome P450 1A1の各遺伝子に含まれる一塩基多型がリン酸エストラムスチン療法によって発現する副作用のうち、浮腫や消化器障害の発現リスクと有意な関係にあることを示した。また、catechol-O-methyltransferase遺伝子のVal158Met多型が治療効果と関連する一塩基多型であることを突き止め、Val/Valホモ接合遺伝子型を持つ患者群で有意に前立腺特異抗原の再燃が起こりにくいことを示した。現在は本研究成果を実際の臨床に還元すべく、Cytochrome P450 1A1遺伝子多型のタイピングを治療開始前に行い、リン酸エストラムスチン療法による消化器障害の発現リスクを予測して同治療のテーラーメイド化を実践している。
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