研究概要 |
腎障害モデルの確立と腎血行動態、腎血管内皮細胞障害の検討方法の確立 1.生理学的手法による腎微小循環障害の解析 ラットにおいて虚血再灌流障害、カルシニューリンインヒビター腎障害、抗血管内皮細胞抗体による各種腎障害モデルを作成し、今回設置したランゲンドルフ単離腎潅流液実験機器を用いて、単離腎の潅流実験を行い、潅流液中の血管作動性物質(レニン、アンギオテンシン、エンドセリン、一酸化窒素)、逸脱酵素(LDH,NAG,β2MG)を定量的に解析する方法を確立した。これにより腎微小循環障害の腎血行動態(腎血管抵抗、糸球体濾過率)の検討が可能になった。 2.実時間生体顕微鏡を用いたreal time腎微小循環障害の検討 腎研究施設、機能制御学分野に設置されているCSU-10を使用し、上記のモデルにおける糸球体係蹄、傍尿細管毛細血管の血流障害を定量的に検討する手法を確立した。 本段階の研究は他の腎障害モデルで一部既に実施、報告済みである。 3.病理組織学・免疫組織学的方法による腎微小循環障害の解析 上記モデル腎の病理組織学、免疫組織学的解析を行い、腎血管内皮細胞障害の程度を、通常のHE,PAM,PAS染色による病理組織学的解析、免疫蛍光抗体法、免疫組織化学染色による血管内皮細胞マーカー、血管再生に関与するサイトカイン、増殖因子、増殖因子受容体(FactorVIII,thrombomodulin,VEGF,PAF,PDGF,Flt-1)を解析する系を確立した。
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