研究課題/領域番号 |
15390488
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
並木 幹夫 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70155985)
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研究分担者 |
溝上 敦 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (50248580)
京 哲 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50272969)
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キーワード | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / 分子様的治療 / アンドロゲン / 骨転移 |
研究概要 |
アンドロゲン感受性前立腺癌培養細胞LNCaPをオスSCIDマウスの背部に接種し、castrationしても増殖しうるアンドロゲン非依存性細胞株LNCaP-SFを樹立し、そのcharacterizationを行った。LNCaPとLNCaP-SFからRNAを抽出し、ARの発現PSAの発現等を調べた。増殖に関しては、それぞれの細胞はアンドロゲンに対して全く反対の反応を示したが、PSAの発現はともにアンドロゲンで誘導された。ARの発現レベルは二つの細胞間で明らかな差は認められなかった。 現在、この二つの細胞をアンドロゲンで処理した後、RNAを抽出し、cDNA microarrayの手法を用いてアンドロゲンで誘導される遺伝子、抑制される遺伝子、あるいは反応の異なる遺伝子を同定した。それらの遺伝子の機能解析を進行中である。 また、LNCaP-SFはcastrationしたscid mouseの皮下での増殖が早く、これをtibiaに直接注入することによって造骨性変化をきたす前立腺癌骨転移モデルを樹立することができた。これは別のアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株PC-3を同様にmouseのtibiaに注入したときに溶骨性変化をきたすのと対照的である。LNCaP-SFによる造骨性変化とPC-3による溶骨性変化は破骨細胞阻害物質である第3世代ビスフォスフォネートで抑制され、骨内での癌の増殖も抑制された。現在、これらの細胞を用いてこつへの浸潤の機序、造骨性変化をきたす機序を解析中である。
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