研究課題/領域番号 |
15390490
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
羽渕 友則 秋田大学, 医学部, 教授 (00293861)
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研究分担者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
中村 彰 秋田大学, 医学部, 教授 (20155815)
土谷 順彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (70282176)
佐田 文宏 北海道大学, 医学研究科, 講師 (90187154)
松浦 忍 秋田大学, 医学部, 講師 (40332465)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 前立腺癌 / 膀胱癌 / 遺伝子多型 / 化学療法 / ホルモン療法 / SNP / 分子疫学 / 遺伝学 |
研究概要 |
前立腺癌、膀胱癌を主とする泌尿器癌の発生頻度に大きな人種差があることが疫学的研究より示されており、これらの発生と進展には遺伝的背景が深く関与していると考えられる。本研究では【1】前立腺癌に対するホルモン療法、【2】浸潤性膀胱癌における術前化学療法をモデルとして患者サイドの遺伝子多型解析による治療反応性の予知を目的として、進行前立腺癌や浸潤性膀胱癌の発症や進展に関与する遺伝子多型解析を進めた。 前立腺癌に関しては、現在までTGF-β、5α-reductase(SRD5A2)、LPLなどの遺伝子多型が前立腺癌の発症に関与していること、CYP11A1(SCC)遺伝子やIGFBP-3遺伝子の多型がその進展に関与していることを示し、発表した。さらに多施設共同研究として、転移のある前立腺癌患者(N=120)の予後と13遺伝子の多型との関係を調べ、IGF-1やaromatase(CYP19)の遺伝子多型が有意に予後に影響し、これらが独立した予後因子となりえる可能性を報告した(J Clin Oncol, in press)。現在、解析遺伝子を増やすとともに、患者血清蛋白との関係や内分泌療法反応性との関係を検討している。 膀胱癌に関してはp53の下流遺伝子であるPIG3の繰り返し遺伝子多型をしらべたところ、膀胱全摘除術後患者の予後とこの多型には相関が認められた。以前、cyclin D1遺伝子多型が膀胱癌発症と関係のあることを報告したが、さらに表在性膀胱癌患者のCISの発症と優位に相関することを示した。またHIF-1α遺伝子多型は弱いながら、腫瘍の血管密度と相関しており、この遺伝子多型が膀胱癌の全摘除術後の予後と有意に相関することを示した。 現在、さらに多くの膀胱全摘所をうけた患者のDNAバンクを構築を行っており、様々な遺伝子多型と臨床パラメーターや臨床経過、治療反応性、副作用などとの関係を検討している。
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