研究課題/領域番号 |
15390493
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
香川 征 徳島大学, 医学部, 教授 (40035738)
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研究分担者 |
高橋 正幸 徳島大学, 医学部, 助手 (50325255)
西谷 真明 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304521)
金山 博臣 徳島大学, 医学部, 助教授 (10214446)
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キーワード | 泌尿器科癌 / 間質細胞 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 |
研究概要 |
癌細胞はその進展の際に間質細胞細胞を制御し、癌細胞自身にとって有利な環境を構築していることが知られている。しかしながら、癌・間質細胞の相互作用やその制御機構は未だ十分に解明されていない。近年、マイクロアレイ法が開発され、一度に多量の遺伝子発現の検索が可能になったが、われわれはその手法を用いて未知の遺伝子も含め、癌・間質細胞の相互作用を包括的に検討した。 まずわれわれは、間質から分泌される代表的な成長因子であり膀胱癌の浸潤能を増強することが報告されているHepatocyte growth factor (HGF)に注目し、HGFの膀胱癌細胞の浸潤におよぼす影響と、その浸潤を制御する分子をマイクロアレイ法によって検討した。HGFの刺激により膀胱癌細胞株5637、T24、J82、HT1376において、浸潤能が有意に増強し、マイクロアレイによる検討で発現の有意に異なる遺伝子が5つ同定され、RT-PCRによりMMP-3のみが有意に高発現を認めることが判った。膀胱癌患者の膀胱癌組織をreal-time PCRで検討したところ、浸潤性膀胱癌では表在性膀胱癌と比較して有意に腫瘍組織でのMMP-3の発現が高く(p=0.0054)、膀胱癌患者の血清HGF濃度と腫瘍組織でのMMP-3の発現に強い相関が認められた(相関係数0.714、p=0.0062)。以上より膀胱癌患者において、HGFによりMMP-3の発現が誘導され、発現が増強したMMP-3が癌の浸潤に強く関連している可能性が示唆された。現在、線維芽細胞を用いて様々な泌尿器科癌との接触による遺伝子の発現の変化の検索を行っている。
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