研究概要 |
トランスジェニックマウス前立腺癌モデルにおける腫瘍組織の遺伝子発現プロファイルを明らかにするために、マイクロアレイ解析を中心とした検討を行い、現在までに以下の結果を得た。 (1)組織型の検討では、腺管構造の乏しい低分化腺癌の頻度が高かった。 (2)フローサイトメトリーでは、ほとんどの腫瘍がaneuploidを示し、%S期+%G2M期が23%であり、高い増殖能が示唆された。 (3)25〜30週齢のマウスから摘出した、均一な腫瘍組織を用いてcDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、神経内分泌腫瘍関連遺伝子(chromogranin A、synaptosomal associated protein 25(SNAP25)、他)、Ca^<2+>代謝、Na、Kチャンネル関連遺伝子(Calcium channel, voltage-dependent, alpha2/delta subunit 1、Calcitonin receptor、他)、細胞骨格・細胞間コミュニケーション関連遺伝子(Cadherin 13、Myosin, heavy polypeptide 1、Microtubule-associated protein tau、他)、細胞増殖・シグナル伝達関連遺伝子(Nephroblastoma overexpressed gene、Protein kinase inhibitor beta, cAMP dependent, testis specific、他)、癌遺伝子などの発現上昇がみられた。 今後、再燃に関わる遺伝子発現の変化を明らかにする予定である。
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