研究課題
基盤研究(B)
「目的」DPDは核酸分解に重要な酵素であると報告されている。また、TSは核酸合成に重要な酵素である。泌尿器科癌におけるTS、DPD活性の重要性はほとんど検討されていないのが現状である。そこで今回我々は、腎癌におけるTS、DPD活性を測定し、Stage、Gradeとの相関関係を検討した。「対象と方法」68人の腎癌患者より腎癌組織を採取し、DPD活性を5-FU degradation assayを用いて、TS活性をFdUMP Binding Assayにて測定した。「結果」腎癌のDPD活性は正常腎の約1/2であった。Stag III/IV腎癌のDPD活性はStage I/II腎癌のDPD活性の約半分であった。また、Grade 3腎癌のDPD活性はGrade 1/2腎癌のDPD活性より有意に低値であった。腎癌のTS活性は正常腎に比べ、約5倍高値であった。Stage III/IV腎癌のTS活性はStage I/II腎癌のTS活性の約3倍高値であった。また、腎癌のGradeが高いほどTS活性は有意に高値であった。高いTS活性を有する腎癌患者よりも低いTS活性を有する腎癌患者の根治的腎摘除術後の5年生存率は有意に高かった。「考察」腎癌、特にStage、Gradeの高い腎癌においてDPD活性が低かった。逆に、腎癌、特にStage、Gradeの高い腎癌においてTS活性が高かった。以上の結果から、DPD、TSは腎癌の分子標的になる可能性が示唆された。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (13件) 図書 (1件)
Cancer 100
ページ: 723-731
Journal of Urology 171
ページ: 605-610
J.Urol 171
Clinical Cancer Research 9
ページ: 1453-1460
Cancer 98
ページ: 730-736
European Journal of Cancer 39
ページ: 541-547
Journal of Urology 169
ページ: 706-709
Clin.Cancer Res. 9
Eur.J.Cancer 39
J.Urol. 169
ページ: 1129-1135
Gene.Ther. 10
ページ: 434-442