研究課題/領域番号 |
15390520
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
細井 裕司 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80094613)
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研究分担者 |
阪口 剛史 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50347564)
今泉 敏 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
渡辺 好章 同志社大学, 工学部, 教授 (60148377)
米本 清 岩手県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (90305277)
中川 誠司 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (70357614)
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キーワード | 最重度難聴 / 補聴器 / 超音波 / 音楽 / 音声言語情報 / 振動子 / リハビリテーション / 語音弁別 |
研究概要 |
昨年に引き続き、超音波聴覚を最重度難聴者用の補聴システムに応用するために、以下の2点について検討を続けた。 (1)できるだけ多くの最重度難聴者の大脳聴覚野が超音波で活性化されるように、その伝導効率をあげること。 (2)超音波を搬送波として伝えられる音声言語情報の認識度を高くすること。 これらの点を解決するために、理論的検討と実験的検討を行った。 1)新しい超音波補聴装置の試作 超音波補聴器の新しいバージョンを試作した。昨年試作した超音波補聴器をより小型化し、難聴者に家庭で試用してもらって、その効果を検証した。 2)最重度難聴者による評価試験 最重度難聴者3名に試作した新バージョンの超音波補聴器を貸与し、家庭で試聴して頂いた。その効果に差異はあるものの、1名においては環境音の聴取ができ、また家族とコミュニケーションをとれることにより、QOLが充実したとの結果を得た。 3)リハビリテーション法の開発 超音波補聴によって得られる音声感覚は通常のものと異なるので、人工内耳と同様にリハビリテーションが必要である。パソコンを用いた日本語リハビリテーション法を開発した。 4)音楽の聴取実験 難聴者にとっても音楽を楽しむことは重要である。超音波補聴器によって、音楽が聞けるか、音楽のどの要素が感受できるかについて、まずリズムから検討した。その結果、リズムは認識できる可能性が示唆された。 5)動物用の超音波振動子の試作 動物の超音波領域はヒトの超音波領域と異なる。周波数帯域を高帯域にシフトした超音波振動子を試作した。棒状のランジュバン振動子とディスク状のユニモルフタイプを3個ずつ作成した。今後この振動子を用いて動物を対象に超音波聴覚と周辺臓器に対する影響を調べていく。
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