研究課題/領域番号 |
15390523
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
大黒 浩 弘前大学, 医学部, 助教授 (30203748)
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研究分担者 |
中澤 満 弘前大学, 医学部, 教授 (80180272)
大黒 幾代 弘前大学, 医学部, 講師 (90305235)
間宮 和久 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60344610)
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キーワード | 網膜変性症 / モデル動物 / カルシウム拮抗剤 / ロドプシン / ロドプシンキナーゼ / 癌関連網膜症 / DNA microarray |
研究概要 |
遺伝性および自己免疫性網膜変性症の代表疾患である網膜色素変性および癌関連網膜症は眼科領域において未だ詳細な病態が不明で治療法の無い難病である。我々はこれらの疾患の病態をモデル動物を用いて病態を分子レベルで明らかとし、新しい治療法の開発のための研究に取り組んできており、今回科学研究費の補助を受け以下の研究成果を得た。 網膜色素変性の分子病態および治療研究 以前に網膜色素変性症のモデルラットであるRCSラットでロドプシンキナーゼの発現が選択的に抑制されていることを見出した。このRCSラットの網膜機能異常は上記の癌関連網膜症におけるリカバリン自己抗体によるロドプシンキナーゼの機能異常と共通でありRCSラットにおいてもカルシウム拮抗剤が奏効する可能性を考え検討した結果RCSラットでもカルシウム拮抗剤の網膜変性阻止効果を初めて明らかとした。次にカルシウム拮抗剤のRCSラットに対する薬理作用をDNA microarray方法で成長制御因子であるFGF2が関与すること解明した。さらにカルシウム拮抗剤は遺伝形式が異なるrdマウスの網膜変性に対しても効果があることを明らかとし、カルシウム拮抗剤がヒトの網膜色素変性に対しても有効である可能性を示唆した。しかし我々が想定する上記の自己免疫機序で起こる癌関連網膜症並びに遺伝性に発症する網膜色素変性において共通に存在すると考えられるカルシウム依存性的なロドプシンキナーゼ機能異常の証明が将来的にヒトの患者に応用する際求められる知見である。しかし現時点でこれを証明する手法がないためロドプシンキナーゼによるロドプシンの燐酸化を定量的に観察するために燐酸化ロドプシンに対する抗体を初めて作成する事に成功し、これを用いたin vivoのassay系を確立した。
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