研究分担者 |
佐藤 肇 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10312571)
布施 昇男 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10302134)
中川 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10282063)
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
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研究概要 |
我々は、加齢黄斑変性に対する治療法として、遺伝子導入細胞移植による治療の基礎研究を行ってきた。当教室では世界ではじめて加齢黄斑変性に対して、in vitroで維持された患者自身の培養虹彩色素上皮細胞(IPE)を新生血管膜抜去後に網膜下に移植することによる治療を実施中である。全身、特に神経系、生殖臓器への広がり、ウイルスベクターの投与方法による差、神経保護因子導入による遺伝子発現、抗原性の変化などを確認するためにGreen fluorescein protein(GFP)遺伝子を挿入したアデノウイルスベクター,アデノ随伴ウイルスベクターを作製し、ラットの網膜下に、ベクター液単体、ウイルス感染IPEを各々投与した。全身投与でアデノウイルスは副作用を引き起こすことが知られているが、我々の方法、すなわち培養細胞に培養下で遺伝子導入を行い移植した場合にはウイルスは目的器官にのみ導入され、全身感染の可能性は低いことが示された。網膜色素変性、加齢黄斑変性に対する治療を目的としているため、導入遺伝子の長期的な発現が必要であり,我々はアデノ随伴ベクターを臨床応用に用いるベクターと想定している。またIPEを移植する上で、IPE及び網膜色素上皮(RPE)の機能解析は必要不可欠である。我々は、IPF及びRPEのK+チャネルKir7.1の発現及び機能解析を行った。IPEにおいても量的差異はあるもののKir7.1の発現が見られた。一方IPE及びRPEの視細胞外節の貪食能は、ヴィジュアルサイクルの維持に重要である。IPE, RPEにおけるカテプシンD, Sについて比較検討を行った。IPEの貪食能はRPEの貪食能と異なっていることが示された。引き続き、遺伝子導入細胞の機能変化、移植細胞の機能解析、他臓器への伝播の検索を行っている。
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