研究課題/領域番号 |
15390524
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
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研究分担者 |
中川 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10282063)
布施 昇男 東北大学, 病院・講師 (10302134)
佐藤 肇 東北大学, 病院・助手 (10312571)
富田 浩史 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40302088)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜色素変性 / 遺伝子導入 / 細胞移植 / 虹彩色素上皮細胞 / アデノ随伴ウイルスベクター |
研究概要 |
我々は、加齢黄斑変性に対する治療法として、新生血管抜去後に培養下で維持された自己虻彩色素上皮細胞(IPE)移植する、自己虹彩色素上皮細胞移植を臨床応用してきた。この治療法は統計学的に有意な治療効果は認められているものの、その効果は劇的なものではない。そこでさらに治療効果を高める目的で神経保護因子を移植細胞に導入し、移植する、遺伝子導入細胞移植について検討中である。 本研究課題の目的は、遺伝子導入に用いるベクターの安全性とその効果、移植後の動態を把握することである。加齢黄斑変性、色素変性を対象疾患と考えた場合、目的遺伝子の長期的な発現が必要である。そこで我々はベクターとしてアデノアソシエイトウイルスを利用した。アデノアソシエイトウイルスには様々な血清型が存在することが知られている。今回、5種の血清型について、虹彩色素上皮細胞への遺伝子導入効率を比較検討した。その結果、IPEへの導入効率は、最も多く遺伝子治療に用いられている2型で良かった。しかしその効率は約20%程度であった。さらに遺伝子導入効率を高めるため、導入方法を検討した結果、ウイルス感染直前にEpidermal Growth factor (EGF)レセプターのインヒビターであるTyrophostin処理することにより導入効率を有意に高めることが出来ることが明らかとなった。これらの方法によって導入した遺伝子の保護効果について検討した結果、培養下では網膜神経節細胞の血清除去による細胞死を抑制すること、また、連続光照射による視細胞変性の動物実験モデルにおいて、これらの細胞移植は有意に視細胞変性を抑制することが明らかとなった。
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