研究分担者 |
奥 英弘 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90177163)
杉山 哲也 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20298764)
今村 裕 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20276215)
中村 直登 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40227921)
足立 哲夫 岐阜薬科大学, 臨床薬剤部, 教授 (40137063)
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研究概要 |
酸化ストレスの原因であるEC-SODと関連して,動脈硬化の原因として注目されている低酸化LDLと加齢黄斑変性の関連を検討した。Paraoxonase(PON)は酸化リン脂質を分解する酵素で,HDLと結合して存在し,LDLの酸化を抑制することが報告されている。本酵素はタンパク内に2箇所の多型があり,そのLホモ型とBホモ型では酵素活性が低く,LDLの酸化抑制作用が弱いため,血清中の酸化LDLが増加することが知られている。われわれは本酵素と加齢黄斑変性の関連を調べる目的で,加齢黄斑変性患者のPON遺伝子多型の解析,血清中PON活性の測定,血清中酸化LDL濃度の測定を行った。その結果,加齢黄斑変性患者とコントロールでparaoxonase内の2ケ所の多型,BBとLLの分布に統計学的に有意差を認めた。加齢黄斑変性患者では,酵素活性の低いLホモ型とBホモ型の頻度が高く,この結果は加齢黄斑変性の発症に遺伝的素因が関与していることを示唆している。次に加齢黄斑変性患者72名と,性別,年齢を相関させた140名の健常者で血清中の酸化LDL濃度およびPON活性をELISA法で測定した。その結果血清中酸化LDL濃度およびPON活性ともコントロールと比較して加齢黄斑変性患者では有意に高値であった。以上の結果から,PON遺伝子多型および血清中酸化LDLは加齢黄斑変性の病因に関与している可能性が考えられる。
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