研究課題/領域番号 |
15390536
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江口 智明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00302688)
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研究分担者 |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (10241994)
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30343122)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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キーワード | 酸性ゼラチンハイドロゲル / マイクロスフィアー / bFGF / 高分子ナノミセル構造体 / Recipient bed / Axial skin flap |
研究概要 |
本研究の目的は、血管新生療法を応用した新しい低侵襲軟部組織再建法を開発することであり、本年度の達成目標は、(1)酸性ゼラチンハイドロゲル・マイクロスフィアー(AGHM)によるbFGFタンパク徐放システムを用いた方法の開発と、(2)高分子ナノミセル構造体(ナノミセル)によるデリバリーシステムを用いた方法の開発の2点であった。 AGHMを用いた検討では、ラット背部axial skin flapモデルにおいて、虚血皮弁に接する背部の筋組織(recipient bed)にbFGFタンパクをデリバリーした。1.5ミリグラムのAGHM(徐放期間は2週間)にbFGFを含有させたものを筋組織内に注射して7日後に皮弁の生着の程度や、recipient bed内の血管新生の程度を血管造影と組織学的検索で測定した。含有させたbFGFの量によって50μg、100μg、150μgの3群を設けた。また、bFGFタンパクの直接の筋肉注射のみによる効果をみるため、50μg、100μg、150μgのbFGFを筋注する3群も作成した。結果は、AGHMを用いた3群が直接注射の3群と比較して有意な皮弁の生着とrecipient bed内の血管新生の亢進を認め、またその程度は、投与したbFGFの量が多い方がまさっていた。現在、残りの研究期間を使って、投与した筋組織内における各種の遺伝子発現に関して検討中である。 一方、ナノミセルを用いた検討では、筋組織(recipient bed)への遺伝子導入により血管新生を誘導する方針とし、まず筋組織を標的として特化した機能化ナノミセルを創製した。しかし、in vitroでは高い導入効率を示すことができたにもかかわらず、in vivoでは期待していたほど(実用化可能なレベルの)の導入効率を得ることができなかった。
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