研究課題/領域番号 |
15390539
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
中塚 貴志 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80198134)
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研究分担者 |
市岡 滋 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60306272)
時岡 一幸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70332616)
高戸 毅 東京大学, 医学部, 教授 (90171454)
中村 耕三 東京大学, 医学部, 教授 (60126133)
星 和人 東京大学, 医学部, 助教授 (30344451)
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キーワード | 再生医学 / フィジカルファクター / 骨 / 軟骨 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 足場素材 / 組織幹細胞 |
研究概要 |
本研究では、フィジカルファクターを活用し骨、軟骨、腱を再生させ、頭蓋顎顔面領域の疾患あるいは運動器疾患の治療に利用可能な再生組織を創生することを目的とする。本年度は、三次元再生組織の作製と力学特性および生体親和性の評価、および実験動物を用いた自家細胞由来再生組織の移植、などを行った。 1.三次元再生組織の作製と力学特性および生体親和性の評価に関しては、ヒト由来軟骨細胞をアテロコラーゲンに混和し、足場刺激を加えた後に、多孔体PLLAに投与し、直径10mm高さ2mmの三次元再生軟骨をin vitroで作製した。この再生組織をヌードマウスの皮下に移植した。2ヶ月後、再生軟骨および周囲を組織学的に評価したところ、炎症所見は見られなかった。再生軟骨は組織学的にはトルイジンブルー染色で強いメタクロマジーを示し、軟骨組織に類似した形態を呈していた。力学的特性については、圧迫強度を測定したところ、ヒトの軟骨組織に匹敵する強度を示した。一方、生体組織の形態に一致した三次元再生組織の作製に関しては、コンピューターにリンクしたデザインシステムによって作製した三次元再生軟骨、三次元再生骨の試作を行った。ヒトあるいはイヌのCT画像をSTLファイルに変換し、三次元造型装置により、光硬化樹脂あるいは石膏を原料とした三次元形状の再現に成功した。 2.実験動物を用いた自家細胞由来再生組織の移植実験に関しては、ウサギから採取した軟骨細胞で再生軟骨組織を作製し、同一固体の皮下に移植した。移植後2ヶ月で、形状は不変であったが、組織学的には再生軟骨は骨へと変化した。生体力学的にも骨に匹敵する強度を有していた。ウサギの軟骨細胞に特異的な現象である可能性があるものの、再生軟骨組織がin vivoで形状を変えずに骨組織へと置換されており、軟骨細胞を利用した骨再生医療の可能性が示唆された。
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