研究課題/領域番号 |
15390539
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
中塚 貴志 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80198134)
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研究分担者 |
市岡 滋 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60306272)
時岡 一幸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70332616)
高戸 毅 東京大学, 医学部, 教授 (90171454)
中村 耕三 東京大学, 医学部, 教授 (60126133)
星 和人 東京大学, 医学部, 助教授 (30344451)
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キーワード | 再生医学 / フィジカルファクター / 骨 / 軟骨 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 足場素材 / 組織幹細胞 |
研究概要 |
高齢化社会を迎え、延長した寿命の中で、より高い生活の質(QOL)を維持することに社会的関心が高まっている。なかでも軟骨、骨、腱などの支持組織は、加齢、外傷や腫瘍などにより障害を受けやすく、QOLを著しく悪化させる原因となる。本研究では、骨や軟骨、腱などの支持組織が、メカニカルストレスや磁気刺激、あるいは足場素材(Scaffold)による刺激などのフィジカルファクターを敏感に感受し、迅速に反応することに注目して、これらのフィジカルファクターを活用し骨、軟骨、腱を再生させ、頭蓋顎顔面領域の疾患あるいは運動器疾患の治療に利用可能な再生組織を創生することを試みた。まず、再生組織作成のための細胞供給源として、ヒト軟骨細胞を用いて細胞の増殖、分化条件を最適化した。まず、増殖については、(1)安全性の面からFBSを使用しない、(2)軟骨細胞の特性を維持した状態で1000倍以上の増殖を獲得する、(3)すでに臨床応用実績のある増殖因子を使用する、という観点から、各種増殖因子の組み合わせの最適化を図り、FGF-2、insulinあるいはIGF-Iの組み合わせが最適であることを明らかとした。ついで、軟骨細胞増殖培養に伴って生じる細胞の脱分化という問題に対処すべく、脱分化型軟骨細胞を再分化させるための液性因子の組み合わせを網羅的に検索したところ、BMP-2とinsulin、甲状腺ホルモン(T3)の組合せ(BIT)が理想的な再分化誘導法であることを見出した。また、臨床応用が期待される、いくつかのハイドロゲルについて、軟骨再生における足場素材としての特性を明らかにすることを目的として、軟骨細胞に対する増殖、基質産生効果を評価した。さらに、これらの研究成果を利用して作成された再生組織をマウス皮下に移植し、再生組織および周囲の組織反応を組織病理学的に解析すると共に、移植後の再生組織の物理学的特性を検討した。
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