研究課題/領域番号 |
15390555
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉本 朋貞 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50135729)
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研究分担者 |
市川 博之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20193435)
山合 友一朗 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00158057)
寺山 隆司 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60333689)
藤田 雅子 岡山大学, 歯学部, 教務員 (40156881)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 後根神経節 / 1次ニューロン / アポトーシス / TUNEL / caspase-3 / caspase-9 / caspase-8 / 痛み |
研究概要 |
ラット新生仔の1次知覚ニューロンは脆弱であり、各種の侵襲に敏感に反応し、アポトーシスに陥る。このアポトーシスのメカニズムを解明するため、出生直後のラットを用いた2種類の神経損傷モデル(カプサイシンの皮下投与(50mg/kg)、及び眼窩下神経または坐骨神経の切断)を作成し、傷害を受けた1次ニューロンの細胞体を含む三叉神経節あるいは脊髄神経節の組織切片上で活性型caspase-9,-8,-3の免疫染色及びTUNEL染色を施した。 カプサイシン投与では、三叉神経節と脊髄神経節のニューロンにcaspaseの免疫活性及びDNAの断片化が誘発された。caspase-9陽性ニューロン、caspase-3陽性ニューロン及びTUNEL陽性ニューロンは投与後16時間で増加し始め、24時間でピークに達した後減少した。24時間で二重染色の分析を行った結果、DNAの断片化とcaspase-9あるいはcaspase-3の共発現がみられ、隣接切片の比較からcaspase-9とcaspase-3の共発現が証明された。 神経切断でも受傷1次ニューロンの細胞体を含む神経節のニューロンにcaspase-3,caspase-3及びTUNEL陽性反応が誘発され、その時間経過はカプサイシンの場合と同様であった。またカプサイシンと同様、神経損傷後24時間でcaspaseの免疫活性とDNA断片化の共発現がみられた。坐骨神経切断でcaspase-8の免疫染色を併せて行った結果、caspase-3やcaspase-9と比較してやや少数ではあるが、神経切断はcaspase-8をも誘発することがあきらかになった。 本研究は、ラット新生仔におけるカプサイシンの全身投与及び末梢神経切断は受傷1次ニューロンにcaspase-9とcaspase-9の連鎖的活性化を誘発し、その結果受傷1次ニューロンがDNA断片化による細胞死に至ることを明らかにした。また末梢神経切断では、上記に加えてcaspase-8の関与するアポトーシスのメカニズムが作用すると考えられる。
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