研究課題/領域番号 |
15390558
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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研究分担者 |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60281515)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 血管新生 / PEDF / VEGFR / 口腔ガン / コラーゲン結合部位 / 加齢黄斑変性 |
研究概要 |
本研究は、血管新生を人為的に制御することにより、加齢に伴い遅延する口腔疾患の迅速な治療、口腔ガンの制御および失われた口腔機能の新たな再建・再生法の確立を目指している。当該期間においては、PEDFの産生調節序の解明と、PEDF受容体の単離・同定を行った。その結果、ガン細胞においては虚血においてもPEDF産生の減衰は認められず、かえって上昇することが明らかとなった。そこで、その機序の解明を行なったところ、ガン細胞では虚血において顕著なVEGF産生の産生上昇が認められ、そのVEGFがガン細胞のVEGFR-1に結合し、PEDF産生が上昇することが明らかとなった。さらに、PEDF産生量とガンの悪性度に関し、検討を行なった。正常組織におけるPEDF/VEGFを1とすると、良性腫瘍組織ではむしろ1を越える値が得られたが、ガン組織では、その比率が異常な低値を示し血管新生の抑制が解除されたことにより、新生血管数の増加を引き起こし、その結果として、ガン組織そのものが虚血を脱し、さらにPEDF産生が低下する機序の存在が推測された。次に、PEDFの作用機序の解明のため、PEDFの変異体(糖鎖部位、コラーゲン結合部位、ヘパリン結合部位、単独および複数の変異体)を導入したHeLa細胞の免疫不全マウスへの投与による血管新生抑制活性の変動を調べた。その結果、PEDFにはガンそのものの増殖を抑制する能力はないが、血管新生を介してガンの増殖を抑制すること、また、PEDFの血管新生抑制作用にはコラーゲン結合部位が重要で、血管内皮細胞のコラーゲン結合からのシグナルを抑制することが血管新生抑制機序の一つであることが明らかとなった。また、expression cloning法によるPEDF受容体の検索を行なった。本方法によりPEDFとの結合を示す遺伝子が数種類確認されたが、この遺伝子産物がPEDFの特異的な受容体であるかどうかの確証は得られておらず、さらなる検討を重ねている。
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