研究概要 |
1.Osterixの発現調節メカニズムの解明 1)SmadファミリーによるOsterixの発現制御 Osterixの発現誘導に対するBMP2シグナル、特にBMP2シグナルにおいて中心的役割を担うSmad1,Smad4,Smad5の関与について検討を行った。その結果、Osterixの発現は、Smadの活性化に依存していた。 2)Osterixの発現に対するCbfa1の関与 C2C12細胞に、Cbfa1を過剰発現させても、Osterixの発現は誘導されなかった。さらに、Cbfa1欠損マウス由来の骨芽細胞様細胞にBMP-2処理を行うと、Osterixの発現が誘導された。 2.骨芽細胞分化におけるOsterixの機能的役割の検討 1)Osterixの過剰発現の骨芽細胞分化に対する効果の検討 骨芽細胞分化におけるOsterixの役割を明らかにするために、アデノウイルスを用いてC2C12細胞あるいは他の未分化間葉系細胞にOsterixを過剰発現させ、その効果を検討した。骨芽細胞への分化は、を指標にした。Osterixの過剰発現によっては、アルカリホスファターゼ(ALP)、オステオカルシンの発現は変動を受けなかった。 2)骨芽細胞マーカー遺伝子の転写制御に対するOsterixの役割の検討 分子レベルでOsterixの機能的役割を解明するために、オステオカルシン、BSP、I型コラーゲン、オステオポンチン遺伝子の転写制御に対するOsterixの関与を、レポーターアッセイにより検討したが、効果は認められなかった。以上の結果より、Osterixの標的遺伝子は、これら既知の骨芽細胞マーカー以外であると推察された。
|