研究課題/領域番号 |
15390565
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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研究分担者 |
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究科, 助手 (90329475)
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
古澤 清文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90165481)
平岡 行博 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20097512)
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キーワード | リポ多糖 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨吸収 / 骨形成 / 自然免疫 / MyD88 / TLR4 |
研究概要 |
最近、ショウジョウバエの病原体認識分子Tollの哺乳類のホモログであるToll-like receptor (TLR)が各種発見され、TLRを中心とした自然免疫機構が明らかになりつつある。LPSはTLR4を介して信号が伝達されるが、その後の信号はアダプター分子であるMyD88依存性の経路と非依存性の経路があることが知られている。また、TLR2とTLR6を介して作用を発揮する細胞表層成分としてジアシルリポペプチドが知られている。そこで、破骨細胞の分化におけるLPSとジアシルリポペプチドの作用とMyD88の必要性について解析したところ、MyD88を介する信号伝達が破骨細胞の分化を強力に促進することが明らかとなった。また、LPSによる破骨細胞延命促進作用もMyD88依存性であった。MyD88のin vivoにおける重要性を検討するために、14週齢のMyD88^<-/->マウスにおける骨形態計測を行った。その結果、骨吸収マーカーである破骨細胞数と破骨細胞面が共に、正常マウスと比較して有意に低下しており、我々の細胞培養の結果を裏づける結果となった。また、興味深いことに、骨形成マーカーである類骨量と骨芽細胞面も正常マウスと比較して有意に減少していた。さらに、骨量と骨梁数は正常マウスと比較して、MyD88^<-/->マウスにおいて有意な減少が認められた。この結果は、MyD88^<-/->マウスは、骨吸収と骨形成の両者の抑制により、低回転型の骨粗鬆症を呈することを示しており、MyD88シグナルは生理的な骨代謝においても重要な役割を担っていることが示唆された。
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