研究課題
基盤研究(B)
本研究は、歯周病細菌の増殖と病原性発現に不可欠な細菌鉄結合蛋白の分子生物学的研究を発展させ、エジンバラ大学Campopiano博士とシェフィールド大学Artymiuk博士にX線結晶解析の協力を得て、その立体構造解析を行なった。さらに新規抗菌薬を探求し、創薬の基礎とすることを目的に行ない、以下の研究成果を得た。細菌鉄結合蛋白の結晶化とX線結晶解析については歯周病細菌Actinobacillus actinomycetemcomitans(Aa)のDNA binding protein starved cells(Dps)蛋白(ABO80734)とフェリチン(ferritin : Ftn)蛋白(DDBJ AB004902)について実施した。AaはFtn1とFtn2という2つの鉄結合蛋白を菌体内で発現していた。Ftn1は結晶蛋白が得られたが、Ftn2はアモルファス状にしかならなかった。Dps蛋白(10〜27mg/ml)は、結晶スクリーニング溶液中で温度17度でハンギングドロップ蒸気拡散法によって良質の六角柱結晶(数mm)を生成できた。得られたAaDps結晶についてX線解析を行い、分子置換はListeria innocuaの十二量体フェリチン様蛋白を参照に鉄結合活性中心部位およびC末端の特徴的なジスルフィド部位を決定できた。新規抗菌薬として生体抗菌物質として注目されるデフェンシンを取り上げ、ヒト細胞からの発現制御様態および抗菌活性について検討した。また、天然植物では尿路感染症の民間療法として用いられているクランベリーを取り上げ、飲用後の尿中代謝物から大腸菌性バイオフィルムの形成を阻害する活性化合物として、ferulic acid、homovanillic acid、4-coumaric acid、isoferulic acid、vanillic acidを特定した。これらの低分子化合物は、複合的に作用して細菌バイオフィルム形成を抑制している可能性があった。
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Bacterial Adherence & Biofilm 20巻(印刷中)
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