研究課題
基盤研究(B)
流量と酸素飽和度の同時計測に関連した計測システムを構築し、測定を行い以下の成果を得た。1.ヒト抜去上顎中切歯と末梢血を用いた歯髄血流モデルについてレーザードップラー血流測定を行い、レーザードップラー血流計を用いた歯髄血流の測定範囲に関して以下の成果を得た。1)天蓋が歯頸部から2mm以上根尖寄りに位置する根管からは血流信号はほとんど記録されなかった。2)天蓋が歯頸部から1mm程度根尖寄り、あるいは歯冠に位置する場合、血流信号を記録でき、測定された血流値は天蓋が切縁側に移動するに従って増大した。2.あらかじめ根管拡大済みのヒト抜去歯に末梢血液を注入したもの、および成人の健全上顎中切歯を測定対象としてヒト歯髄酸素飽和度測定に関する以下の成果を得た。1)末梢血液と抜去歯を用いた測定では、緑色光源によって血液の濃度に相関した透過光強度が得られたのに対し、赤色光源で得られた透過光強度は酸素飽和度の変化を反映した。2)ヒト歯髄からの脈波導出では、赤色光源での脈波は緑色光源でのそれに比較し脈波振幅は小さく、その波形も異なるものであった。本研究の結果から、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの散乱強度の差が大きい赤赤色光源を用いることで、歯髄内の血液の酸素飽和度を反映する透過光光電脈波を導出することが示唆された。以上の成果は、これまで明らかにされたことがない研究成果であり、学会発表を行うと共に、その一部は既に学術雑誌に掲載済みである。
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日本歯科保存学雑誌 49・1
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