研究分担者 |
鳥井 康弘 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 教授 (10188831)
高務 朋将 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20314700)
糸田 俊之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60294419)
伊澤 俊次 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20273998)
仲保 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40335617)
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研究概要 |
緒言 申請者らは,う蝕脱灰象牙質の可及的保存を図るモディファイド・シールド・レストレーション(MSR)を提唱しているが,う蝕脱灰象牙質への接着機構には不明な点が多い.う蝕脱灰象牙質への接着にはレジンモノマーの浸透と脱灰象牙質の強化が必要不可欠であることから,本年度はビーグル犬を用いてin vivo実験系において作製された人工脱灰象牙質窩洞への各種前処理法による象牙質接着性と脱灰象牙質再石灰化の様相について超微細形態学的に検討を行った. 材料および方法 1.ビーグル犬を用いたin vivo動物実験 ビーグル犬4頭に人工脱灰象牙質窩洞を作成し,各種脱灰象牙質前処理法(ハイドロキシアパタイト配合プライマー)を適用した上で接着性レジン充填を行い,処置後3ヵ月目に2頭を屠殺して歯を取り出した. 2.象牙質接着界面の超微細構造学的解析 上記抜去歯より象牙質レジン接着界面試料を調整し、SEMを用いて樹脂含浸層およびその直下の脱灰象牙質の超微細構造を観察した. 結果と考察 SEM観察の結果,ハイドロキシアパタイト配合プライマーで前処理を施した脱灰象牙質では前処理のないコントロール群と比較してやや緻密な構造を示した.この結果から,脱灰象牙質においてハイドロキシアパタイト配合プライマーによる再石灰化が生じている可能性が考えられた. 結論 以上より,ハイドロキシアパタイト配合プライマーによる前処理はう蝕脱灰象牙質の再石灰化を促し,う蝕脱灰象牙質への接着性を向上させる可能性が示唆された.
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