研究課題
基盤研究(B)
研究代表者はこれまでセメント質特異抗体の作製に成功してきたおり、そこで同抗体を指標にセメント質過形成モデルの作製を試みた。ウシ歯胚より歯根部分を取り出し移植実験を行った結果、移植片ではセメント質が移植前と比較して約20倍以上肥厚することが観察された。肥厚したセメント質内では多数のセメント細胞が存在し、これらはセメント質特異抗体に陽性なセメント細胞であることが確認された。この結果は、ウシ歯小嚢細胞中に存在するセメント芽細胞芽細胞前駆体が、移植実験によりこれらの細胞は活性化され象牙質上にセメント芽細胞に分化し大量のセメント質を形成した事を示唆している。そこで研究代表者の齋藤はウシ歯小嚢細胞よりセメント芽細胞前駆体下部あるDNA libraryの作製を試みた。その結果平均インサート1.5kbp、1x10^6独立クローンを有するcDNA libraryの作製に成功した。現在は抗セメント質抗体を用いてCSFsをスクリーニングしている。ヒトゲノムデータベースが公表されて以来、海外および国内でヒトおよびマウスの各種臓器で発現する遺伝子がゲノムワイドに解析されている。一方、遺伝子の網羅的解析により従来困難であった組織の遺伝子発現プロファイリングの解析も可能になりつつある。その中で研究代表者は腱および軟骨に発現している腱特異的新規細胞外マトリックス(ECM)因子に着目し、これが歯根膜発生に関与するかを検索した。免疫染色で解析した結果、腱特異的新規ECM因子は歯根膜細胞の走行に対して垂直に走行するオキシタラン繊維オキシタラン繊維を構成する新規細胞外マトリックスであることが判明した。次に腱特異的新規ECM因子発現細胞を調べる目的で、マウス歯小嚢細胞を分離培養し解析したところ、同細胞を長期間培養することにより腱特異的新規ECM因子陽性の微小繊維様構造物を形成することが確認された。そこで同細胞を免疫不全マウスへの移植実験を行ったところ、移植後一ヶ月で腱特異的新規ECM因子陽性の微小繊繊維を形成することが確認され、このような特徴的な染色像はNIH3T3やC2C12などのマウス由来細胞株では形成されなかった。以上の結果より、腱特異的新規ECM因子は歯小嚢細胞から分泌される新規細胞外マトリックスで、歯根膜形成過程でオキシタラン線維を構成することが判明した。
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