研究概要 |
顎口腔機能に異常を認めない被験者1名を対象とし,発音時のMR像を撮影条件を変えて何パターンか行った(MRI装置:1.5T Magnetom Vision ; Seimens, Erlangen, Germany).得られたMR画像を立体構築し,発音時における口蓋と舌の間のスペースの判定を行うために最も適したMR撮影条件の判定を行った.撮影条件として,T1 weighted Images (Transverse, Coronal, Sagittal)with Head-Neck coil, TR=660msec, TE=15msec, Slice thickness=3mm, Matrix size=256×256を採択した.発音は運動が短時間であるため,発音している瞬間のMR画像を得ることが困難であった.そこで今回は被験者に「た」,「か」,「け」,「ら」の発音をする瞬間(「TA」の場合は「T」の瞬間)で舌の位置を保持してもらい撮影を行うこととした.そのため撮影条件としては解像度の問題とともに,撮影時間の問題を十分考慮に入れて決定した.撮影は同一発音においてTransverse, Coronal, Sagittalの3断面において行い,これらをそれぞれ立体構築し,得られた3つの画像を見比べながら,舌と口蓋の間のスペースを判定し,スペース形態の各実測値を得た. 今後はこれらのデータに基づき,本年度内に顎口腔機能に異常を認めない被験者5名を対象とし,上記で決定した撮影条件にて「た」,「か」,「け」,「ら」発音時のMR像撮影を行い,それぞれのMR像を立体構築し,口蓋と舌の間のスペースの測定を行う予定である.
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