研究課題/領域番号 |
15390598
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小倉 英夫 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (60095099)
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研究分担者 |
仲居 明 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (30095195)
後藤 真一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (10105504)
赫田 清 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (20105505)
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キーワード | 咬合摩耗 / 歯ブラシ摩耗 / 摩耗 / コンポジットレジン / 対合歯 / 試験法 |
研究概要 |
口腔内の摩耗のメカニズムは複雑である。これらの複雑な摩耗の挙動を評価するために、比較的弱い力の下で砥粒による摩耗が生じる歯ブラシ摩耗と、比較的強い力の下で摩擦による摩耗が生じる咬合摩耗とを交互に行う複合摩耗試験機を開発し、その咬合摩耗部の対合部の材質と形態が、修復材料の摩耗にどのような影響を及ぼすかについて調べた。 対合部の材質としては、延性材料であるステンレス鋼、脆性材料で硬さが天然歯のエナメル質に近いセラミックス(シェイパルM)を用いた。対合部の形態は、先端が平面と曲率2mmの2種とした。これらの対合部を用いて、マイクロフィラー型コンポジットレジン、ハイブリット型コンポジットレジン、およびアクリル樹脂(PMMA)ブロックの咬合摩耗試験、複合摩耗試験を行った。摩耗の評価は、3D測定顕微鏡を用いて各摩耗試験後の試験片摩耗部のプロファイルを3次元的に計測し、摩耗部の体積減と最大深さを計測し比較した。 咬合摩耗試験では、摩耗部の体積減、最大深さともに対合部の材質、形態の影響を受けていた。複合摩耗試験では、摩耗部の体積減は試験した材料間で有意な差があり、PMMA試験片が最も大きな体積減を示した。ここでも対合部の影響が見られ、砥粒による摩耗と摩擦による摩耗の両者がPMMAやコンポジットレジンの摩耗に影響をおよぼしているのを確認した。このことからも複合摩耗試験が有用であると考える。摩耗部の最大深さは対合歯の材質、形態、試験した材料のすべてから影響を受けていた。以上の結果を検討した結果、複合摩耗試験の対合部はセラミックスで先端曲率が2mmであるものを用いることとした。
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