研究分担者 |
竹村 明道 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (00155045)
戸田 伊紀 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20197891)
玉田 善堂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (60254364)
池 宏海 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30222855)
上村 守 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30351472)
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研究概要 |
目的:歯根膜を介して支持される天然歯と歯根膜のない骨によって支持される人工歯根を上部構造によって連結させて咀嚼機能を営ませたとき、この人工歯根および天然歯の外周の血管・骨組織に生じる経週的変化を調査した。 材料と方法:実験動物にはヒトの咀嚼様式と近似するカニクイザルを用い、人工歯根には生体親和性の高いシリンダー型陽極酸化チタニウム製人工歯根を用いた。実験動物の両側下顎臼歯部の抜歯を行い、治癒の確認後、人工歯根をそれぞれの欠損部に植立した。それぞれの人工歯根が顎骨に生着固定されるのを12週待ち、天然歯と人工歯根を不動性連結させるために金銀パラジウム合金製の連結上部構造を作製して装着した。連結上部構造装着後1,2,4,8,12,24週に実験動物をそれぞれ安楽死させ、総頸動脈からアクリル樹脂を注入し、通法により、骨・微細血管鋳型標本を作製し、走査電顕にて観察を行った。 観察結果:人工歯根外周の骨と血管構築の変化から、連結上部構造装着後1週から24週までを、新生血管増生期(装着後から2週)、骨新生期(装着後2週から4週)、骨増生期(装着後4週から8週)、骨改造(成熟)期(装着後8週から12週)および人工歯根槽骨壁形成期(装着後12週から24週)の5期に区分できた。また、天然歯外周ではいずれの週でも骨吸収と骨形成は認められなかった。 まとめ:1)人工歯根植立後12週で、天然歯とこの人工歯根を連結する上部構造物を装着しても、装着後12週から24週で人工歯根の外周に新生骨形成が起っていたことから、臨床の場では、この期間においては人工歯根槽骨壁が形成されたかをX線で検証をする必要がある。2)天然歯の隣在歯として存在する人工歯根の場合、天然歯と人工歯根を連結する上部構造物を装着しても臨床的に問題はないと考えられるが、天然歯と顎骨の関係が健全な状態でない場合はこの実験結果を適応するべきではない。
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