研究課題/領域番号 |
15390605
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤澤 俊明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (30190028)
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研究分担者 |
福島 和昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00002361)
飯田 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90292036)
詫間 滋 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60360921)
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キーワード | 日帰り全身麻酔 / street fitness / 動的平衡機能 / sevoflurane / 精密テスト / 歩行分析 |
研究概要 |
目的:近年、医療費削減や日常生活リズムへの早期復帰の面から、日帰り麻酔が普及してきた。したがって、安全でかつ時間的にも無駄のない帰宅許可基準の確立が今後益々必要になる。帰宅許可基準における重要な評価因子の一つに平衡機能の回復が挙げられる。とりわけ、重心の移動を伴う動的平衡機能の回復の評価は、street fitness、すなわち、安全な歩行帰宅のための最重要課題である。今回、手術時間が2時間以内と予定された手術のための全身麻酔後における、体位変換などの重心移動能力、歩行を含めた運動能力、および予期せぬ外乱刺激時の姿勢調節能力の回復過程を明らかにすることを目的に検討した。 方法:対象は、歯科口腔外科手術(手術時間が2時間以内と予定)のための全身麻酔を受ける青壮年患者6名とした。麻酔法は空気-酸素-セボフルレンとし、前投薬はH2ブロッカーのみとした。麻酔終了1時間半後、2時間半後、2時間半後に、3種の精密動的平衡機能検査を行い、麻酔前の対照値と比較した。Computerized dynamic posturographyを用いて、意図的体位傾斜時検査としてLimits of stability testを、外乱刺激時の姿勢調節能検査として不安定床を用いた外乱刺激テストを、また、歩行分析装置を用いて、歩行検査として歩幅・歩隔比、歩行速度および歩調測定を行った。 結果:Limits of stability test、外乱刺激テスト、歩行検査の回復は、それぞれ、麻酔終了1時間半後、2時間半後、3時間半後であった。 結論:麻酔終了後2時間半後までは、ふらつき感を自覚しているが、意図的傾斜能の回復は早く、また、ふらつき感は、歩行テストでは、歩幅の減少と歩隔の増加に反映されていた。
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