研究課題
基盤研究(B)
発症頻度が高い関節炎モデルを開発するためMRL/lpr X(MRL/lpr X C3H/lpr)F1マウスを作出した。この世代のマウスの中から肉眼的に明からな関節腫脹を示す重篤な関節炎を発症したマウスを選択し、交配を続け、F54世代からリコンビナントコンジェニックマウスMcH/lpr/lpr(McH/lpr-RA1)として系統樹立した。McH/lpr-RA1にみられる関節炎は、MRL/lprマウスに比較し、早期にしかも高頻度で発症し、顕微的には関節強直に至る重篤な骨破壊病変を示した。また、McH/lpr-RA1の顎関節にはosteophyteの形成が認められた。これらの所見は、ゲノムの組み換えが、関節炎の病理学的な発現型の改変を誘発することを示している。さらに、最近、我々は、MRL/lprの突然変異マウスであるMRL/rplとC3H/lprのF1に関節症が自然発症することを見出した。この関節症モデルの組織学的な病態と特徴的な遺伝様式を明らかにするため、MRL/rpl、C3H/lpr、(MRL/rpl X C3H/lpr)(MC)F1、(C3H/lpr X MRL/rpl)(CM)F1、およびMCF2を作出し解析した。MCF1の雄と雌の顕微的な関節症の発症頻度は、それぞれ100%および19.4%であったが、MRL/rpl、C3R/lprおよびCMF1には発症しなかった。MCF1の関節症は主に足関節に認められ、病理組織学的には、軟骨への分化と骨化を伴った著明な靭帯付着部の腫脹が特徴であり、この病変の発症に関連する遺伝子座はMRL/rpl由来のD7Mit68(60cM)の遠位に存在した。このMCF1マウスは、雄の足関節において、高頻度に関節強直症を自然発症し、この特徴的な遺伝様式は常染色体優性遺伝子座とY染色体関連遺伝子座との相互作用により成立するものと思われた。
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