研究課題/領域番号 |
15390625
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
瀬戸 かん一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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研究分担者 |
関谷 秀樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70267540)
近藤 壽郎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70178416)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60050689)
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
根岸 洋一 帝京大学, 薬学部, 助手 (50286978)
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キーワード | 遺伝子導入 / 仮骨延長法 / 内軟骨性骨化 / 膜性骨化 / 軟骨細胞 / Wnt3a / 骨折治癒過程 / LRP5 |
研究概要 |
Wntファミリーは、成長因子の一つである。近年の解析結果からLRP5/Wnt/β-cateninシグナルの骨軟骨形成及び骨代謝における重要性が示唆されている。それゆえ仮骨形成過程におけるβ-cateninシグナル経路を活性化することは、骨軟骨形成の促進に繋がるものと推測される。そこで本研究では、Wntファミリーの中でもβ-cateninシグナルを活性化するWnt3a遺伝子発現ベクターを導入遺伝子として用い、エレクトロポレーション法を用いて、骨折近傍組織への遺伝子導入を行い、それによって仮骨延長時の仮骨形成に対する影響について検討を行った。平成16年度は、以下(1)〜(4)にしめす実験を行った。 (1)エレクトロポレーション法による遺伝子導入効率の検討(2)骨折モデルマウスへの遺伝子導入の検討(3)Wnt3aによる骨折治癒・修復過程の影響((1)仮骨の性状の解析,(2)骨質の評価,(3)骨軟骨関連分化マーカーの発現変動の解析,(4)組織染色)(4)Wnt3aの作用機構の解析。 その結果、骨折近傍組織にWnt3a発現ベクターを導入したところ、仮骨・筋肉組織由来のWnt3a発現が確認され、オートクライン・パラクライン的に骨折局所において作用する可能性が示された。また、μCTによる解析から仮骨幅および仮骨量が増加することが明らかとなった。組織染色により軟骨基質の増大が確認された。また、仮骨内におけるヘキソサミン含量およびALPase活性はWnt3aの導入により増加し、Ca含量には影響を及ぼさなかった。仮骨における骨軟骨関連分化マーカーの発現レベルは、特に軟骨分化マーカーにおける発現の増強が認められた。 仮骨延長部にWnt3aを導入することが、軟骨仮骨量を増加させ、延長後の骨径を太くする可能性が示唆された。
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