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2005 年度 実績報告書

口腔癌の浸潤・転移におけるCOX-2の関与と選択的阻害剤による抑制効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15390630
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

浦出 雅裕  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70104883)

研究分担者 櫻井 一成  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30129118)
橋谷 進  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00330449)
キーワード口腔癌 / シクロオキシゲナーゼ(COX)-2 / 浸潤 / 転移 / COX-2高発現KB細胞 / MMP / COX-2阻害剤 / 腫瘍増殖抑制
研究概要

本研究は、口腔癌の浸潤・転移におけるCOX-2の関与を明らかにすることを目的として、臨床材料より得た口腔癌の浸潤先進部および転移巣でのCOX-2発現を免疫組織化学的、遺伝子学的に検索するとともに、口腔癌培養細胞にCOX-2遺伝子を導入し、培養細胞およびヌードマウス移植系を用いて浸潤能および転移能について検討する。さらにその分子機構と選択的阻害剤による浸潤・転移抑制効果についても検討し、COX-2が口腔癌治療の分子標的に成りうるか否かを明らかにする。平成17年度に得られた成果を以下に述べる。
1.口腔扁平上皮癌転移症例60例について、原発巣と転移巣におけるCOX-2と細胞接着性糖タンパク質Laminin-5γ2発現を免疫組織化学的に検討した。全例に両タンパクの発現が見られ、腫瘍分化度の低下とともに発現増強が見られた。原発巣では、いずれも腫瘍先進部に高発現する傾向がみられ、68%の症例で相互発現を認めた。さらに、原発巣に比べ、転移巣で発現増強を示した。
2.COX-2遺伝子を導入したKB/COXでは、対照のKB/Neoに比べ、MMP2,MMP9活性の亢進を認めるが、TIPM1,TIMP2の発現は減弱していた。またE-カドヘリン発現の低下も認めたが、Snailの変化は認めなかった。ケモカインレセプターであるCXCR4は、両細胞ともに発現しており、mRNAレベルで差を認めなかったが、タンパクレベルではKB/COXのほうが高発現していた。
3.KB/COXはKB/Neoに比べてヌードマウス皮下移植における造腫瘍性が高く、腫瘍増殖も速かった。また、口底部への同所性移植では、KB/COXはKB/Neoに比べ、強い局所浸潤性を示した。
4.KB/COXでは心臓注入あるいは口底移植により、高率に肺、骨などへの多発性転移を認め、咬筋部移植により頸部リンパ節転移を認めたが、KB/Neoではほとんど転移を認めなかった。
(本研究結果の1部は、平成17年8月開催の第17回国際口腔顎顔面外科学会において発表した。)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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