研究課題/領域番号 |
15390631
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白川 哲夫 北海道大学, 病院, 助教授 (00187527)
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研究分担者 |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
三留 雅人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50261318)
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キーワード | catechol O-methyltransferase / 視交叉上核 / neuropeptide Y / 弓状核 / bromodeoxyuridine / 神経幹細胞 / 歯状回 / 咀嚼 |
研究概要 |
1)新生仔の視床下部でのcatechol O-methyltransferase mRNAの発現変化 catechol O-methyltransferase(COMT)はカテコールアミン代謝に主要な役割を果たしているが、脳においては行動調節にも関与していることが示唆されている。視交叉上核を含む視床下部でのCOMT mRNAの発現を発達期の脳について調べた。生後1日から16日のSDラットを使用し、in situ hybridization法を行い、得られたオートラジオグラフをイメージアナライザにて解析し、定量化した。COMTは主に神経細胞に発現し、視交叉上核でのCOMT mRNAの発現は生後1日で最も強く、その後漸減することが明らかになった。また、脳室上衣細胞にも強いCOMT mRNAの発現が認められた。 2)新生仔の視床下部弓状核におけるneuropeptide Y mRNA発現の調節メカニズム 弓状核におけるNPY mRNA発現量は、生後2、7、10日目ともに、自由摂食群と比較して絶食群が有意に高かった。また絶食後摂食群では、自由摂食群と絶食群の中間の発現レベルを示した。絶食群のラットに,インシュリンあるいはレプチンをそれぞれ投与し、NPY mRNAの発現がどのように変動するかを調べたところ、レプチン投与群では、特に吻側と中央部においてNPY mRNA発現の減少傾向がみられた。また、絶食群とインシュリン投与群とを比較すると、インシュリン投与群の吻側と中央部ではNPY mRNA発現が減少していた。 3)海馬歯状回で新生した神経細胞の生存に対する咀嚼の影響 粉末食摂取ならびに臼歯の抜歯が、マウスの海馬歯状回での神経新生に及ぼす影響について検討した。4週齢のマウスの一群に全臼歯の抜歯を施すとともに、抜歯していない一群についても粉末食を10週間にわたって与えた。bromodeoxyuridine(BrdU)を12日間連続投与したのち、歯状回でのBrdU陽性細胞の生存について調べた。BrdU投与の5週後では、粉末食摂取群で固形食摂取群に比べBrdU陽性細胞の生存数の減少がみられ、抜歯群ではさらにBrdU陽性神経細胞の比率が低下していた。
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