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2005 年度 実績報告書

吸啜・咀嚼機能の発達に伴う摂食調節中枢での遺伝子発現変化と神経回路形成

研究課題

研究課題/領域番号 15390631
研究機関北海道大学

研究代表者

白川 哲夫  北海道大学, 病院, 助教授 (00187527)

研究分担者 本間 さと  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
三留 雅人  北海道大学, 病院・講師 (50261318)
キーワードcatechol O-methyltransferase / 視床下部 / in situ hybridization法 / mRNA / エストロゲン受容体 / 体性感覚経路 / グルタミン酸トランスポーター / 臨界期可塑性
研究概要

1)新生仔脳でのcatechol O-methyltransferase mRNAの発現変化とエストロゲン受容体の関与
catechol O-methyltransferase (COMT)は脳において様々な領域で摂食行動の調節に関与している。生後1日から16日のSDラットを使用し,in situ hybridization法を行いて視交叉上核を含む視床下部でのCOMT mRNAの発現を調べたところ,COMT mRNAは主に神経細胞に発現し,生後1日で最も強い発現が見られ,その後漸減することが明らかになった。GeneChipによる包括的解析によっても発現量に同様の傾向がみられた。また,新生仔においてエストロゲン受容体の強い発現が認められた脳室上衣細胞にも,強いCOMT mRNAの発現が認められたが,17-estradiolあるいはbisphenol Aを皮下に投与した場合には視床下部でのCOMT mRNAの発現量は減少した。これらの薬物とエストロゲンの拮抗薬であるICI182780を同時投与した場合,COMT mRNAの発現抑制は阻止された。これらの結果から,脳においてエストロゲン受容体を介するCOMT mRNAの発現調節系の存在が示唆された。
2)発達期マウス体性感覚野バレルの臨界期可塑性制御
齧歯類の体性感覚経路には,顔面の触覚毛に対応した5列のモジュール構造(大脳皮質体性感覚野ではバレルと呼ぶ)が存在する。発達期マウス体性感覚経路におけるグルタミン酸トランスポーターGLT1の発現スイッチとバレルの臨界期可塑性について検討したところ以下の結果を得た。(1)共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察から,GLT1の発現スイッチは三叉神経核バレレットでは生後7日,視床バレロイドでは生後3日,大脳皮質体性感覚野では生後5日までに完了していた。これらは,すべて臨界期終了に先立つタイミングで起きていた。(2)チトクロームオキシダーゼ酵素組織化学を用いてGLT1ノックアウトマウスと野生型マウスのC列焼灼による臨界期可塑性を比較すると,生後1日,3日に焼灼したとき,野生型マウスに比べノックアウトマウスでは,バレレット,バレロイド,バレルのいずれにおいても構造変化の度合いが減少していた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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